マイコログ

アイドルライブの観戦の記録と、日々考えるアイドルのこと。

「恋花」と「℃repuscolo」

Flower Notes(フラワーノーツ)のメジャーデビューシングルの表題曲である「恋花」。

綺星★フィオレナードの1st EP「FiORéclaD」に収録されている「℃repuscolo」。

今回はその「恋花」と「℃repuscolo」について、書いていきたいと思います。

 

「恋花」は2016年12月7日に日本コロムビアからリリースされた、Flower Notesのメジャーデビューシングルの表題曲です。

しっかりと作りこまれていて、曲調はマイナー調で疾走していく楽曲。

今のアイドルシーンからは少し離れた、本格派J-POPと表現するのが正しいのかもしれない楽曲です。(そんな言葉があるのかどうかはわからないですが...)

小柄でまだ中学生の藤井愛願(あいね)ちゃんと、長身の湊帆洋(みなとほなみ)ちゃんが主だったところを歌い、落ちサビも歌っています。

2人とも良い意味でクセがある歌声で、この楽曲の色を決めているように感じます。

 

歌詞は恋のはじまりを歌っていて、恋の花が咲く様子が鮮やかな情景で描かれています。

「恋を糧(かて)にして咲いた花が この手のひらで踊るよ君に」

ダンスもレベルが高く、しなやかなダンスを6人が踊ります。

 

CSのKawaiian TVで放送されていた「14☆少女奮闘記!」のデビュー曲決定回を見ると、前々からこの曲は準備されていたような印象を受けます。

日本コロムビア初のアイドルレーベルLabel The Gardenから、メジャーデビューさせる第1曲目なので、相当の準備をしてきたのだと思います。

 

この曲はFlower Notes以外に、トイプラのグループである綺星★フィオレナード、Flower Notesと同じ日本コロムビア所属の後輩グループにあたるFragrant Drive、さらにその後輩グループのPASTELLによってカバーされています。

(現在は、Fragrant Drive、PASTELLのライブで聴くことができます)

 

Flower Notesは残念ながら、恋花ともう1曲のシングル表題曲、6曲のカップリング曲、ラストライブで披露された2曲で、2018年3月に惜しくも解散してしまいます。

定期公演か何かで、プロデューサーの貝塚氏が、解散予定の数ヶ月後には3枚目のシングルをリリースする予定があったという趣旨の発言もあり、この次の楽曲を聴きたかったと残念に思った記憶が残っています。

 

そして、月日は経ち、2020年。

恋花をカバーしていた時期もあった、綺星★フィオレナードから「℃repuscolo」という楽曲が発表されます。

これは、2020年10月27日に綺星★フィオレナードがリリースした1st EP「FiORéclaD」に収録されている楽曲で、恋花と同じく、作詞Sean Sheller氏、作曲村山シベリウス達彦氏といった恋花制作陣によって作られています。

また、この楽曲について、「『恋花』の延長線上にあるのが『℃repuscolo』というイメージ」と貝塚氏がツイートしており、歌詞も恋花の後のストーリーといった趣があります。

 

歌詞を見ていくと、「恋の花びら」といったフレーズが何度も現れ、「君の笑顔のために私は盾になろうと思うけれど」と、恋花の「糧(かて)」に対して「盾(たて)」で韻を踏んでいます。

 

恋花では「恋を糧に咲いた花」が「散る運命(さだめ)」と歌っているのに対し、℃repuscoloでは「夕日に照らされ踊る恋の花びら」が「散りゆく運命(さだめ)」と歌っています。

 

さらに、「恋花」が朝だとすると(PVの撮影が早朝で寒かったとFlower Notesのメンバーたちが話しています)、「℃repuscolo」は夕暮れであり、こちらも対称となっています。

歌詞の内容としては、「君」が何らかの理由で、「私」から離れていくといった別れのストーリー。

つまり、恋花ではじまった恋のストーリーが、℃repuscoloで終わってしまう様子が描かれています。

 

また、℃repuscoloの歌詞の「私」をアイドル、「君」をオタクとして聴くと、曲は卒業ソングに一変します。

「Fiore=花=アイドル、Nerd=オタク」

そんなことをモチーフに歌詞が作られたのではないかとも推察されます。

 

1番では、特典会で「私」が一人佇んでいるところに、オタクの「君」がやってくる。

2番では、「私」が卒業してしまい、もしくはオタクの「君」が他界してしまい、「私」はオタクの「君」の嘆きや孤独を思いやっている。

 

そんなふうにアイドルとオタクだと歌詞を読んでいくと、卒業ソングだと思えてしかたありません。

 

前体制では、この曲が発表された後に、前田優歩ちゃんと垣村玲那ちゃんの卒業発表、白瀬乃愛ちゃんと小泉花恋ちゃんの移籍発表がありました。

現体制でも、世良明梨ちゃんが卒業発表の後に、この曲が披露されています。

 

 

前体制スタフィオでは、TSUTAYA O-EASTで行われたワンマンライブとZepp Nagoyaで行われたワンマンライブで、恋花→℃repuscoloというセトリでこの2曲が披露されています。

おそらくFlower Notesも夢み、叶わなかった、O-EASTZeppで恋花が披露されたことに、何とも言えない感動をおぼえました。

 

またどこかで、綺星★フィオレナードの「恋花」→「℃repuscolo」のセトリでのライブを見てみたいと、切に願うところです。

 

そして、Flower Notes、綺星★フィオレナードを見てきた自分としては、事務所もレーベルも異なるこの2つのグループが曲でつながることに、何とも言えない驚きと感動を覚えています。

どちらも「花」を冠したグループといった共通点、歌とパフォーマンスに特化したグループといった共通点。

散りゆく運命だとしても、素敵な花を見させてもらい、今も素敵な花を見させてもらっています。